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e-taxで確定申告の電子申告は意外と面倒?ICカードが必要な理由とは

[公開日] 2015/02/26 [カテゴリー] 確定申告とe-tax [タグ] e-tax, ICカード, 確定申告とe-tax, 税理士, 電子申告

e-taxで確定申告の電子申告

 

国税庁のe-taxは古臭いデザインのホームページですが、それでもe-taxができる前に比べれば、個人・個人企業主・中小企業経営者にとっても税理士さんや会計士さんにとっても格段に便利になったようです。

 

電子申告に必要なICカード

 

電子申告は便利な反面、セキュリティの心配がつきものです。盗聴や成りすましを防ぐため、e-taxではPKIという仕組みを使って、暗号化して電子申告します。 PKIとは、秘密鍵とペアになる公開鍵を使って暗号化・復号化するインターネット通信技術で、このうち、「秘密かぎ」を電子証明書と一緒に保管するのが、

 

  • 個人・納税者 電子署名用ICカード(自治体が発行する住基カードに入れる)
  • 税理士・会計士 日税連発行の電子署名用ICカード

 

です。

住基カードを持っていても、別途電子証明書の申請手続きが必要

 

住基カードを持っているからと言っても、公的個人認証局の電子証明書(紙ではありません。ICカードの中に入れるデータ)を入れる申請が別途必要でした。また、住基カードには有効期限がないものがほとんどですが、公的個人認証局の電子証明書(と秘密かぎ)は有効期限が3年となっており、証明書更新のタイミングと、確定申告のタイミングがうまく合わないと実質2年おきに役所に行って、公的個人認証局の電子証明書(と秘密かぎ)の再発行をしてもらうことが必要でした。

 

また、法人の場合は、

 

  • 法人の商業登記認証局で申請者が公開鍵と秘密鍵を生成して、
  • 公開鍵をフロッピーに入れて登記所に持参して申請すると、
  • 後日インターネット経由で証明書がダウンロードできるようになる

 

というややこしい仕組みになっています。一度やってしまえば、、というところですが、最近はインターネットを使った個人企業主や副業を法人化する例も増えていますので、簡素化していただきたいものです。

電子申告に必要なICカードリーダ・ライタ

 

e-taxで電子申告の書類を作ると、国税局に送信する最後の最後で、

 

  • 本人であることを確実に証明するために電子証明書が、
  • 送信データのSSL暗号化のために秘密かぎが

 

必要になります。

 

 

電子証明書と秘密かぎが格納されているICカード(住基カード)から、電子証明書と秘密かぎを読み取る必要があります。 それがICカードリーダ。ICカード自体は皆さんも電子マネーやICOCAやSUICAなどの電子定期券で利用されたことがあると思います。

 

 

 

USB接続でパソコンにつなぐタイプのICカードリーダー・ライターが一般的ですが、もちろんしっかりと電子証明書の読み取りが可能な仕様のICカードリーダーが必要です(ネットショッピングで電子マネー決済ができるからと言って必ずしも使えるとは限りません)。

 

 

 

e-taxで確認されているICカードリーダの機種リストは、e-taxのホームページに刑されていますので、最新情報を確認してください。安いもので4000円から5000円程度です。

e-tax電子申告の流れ(税理士・会計士が作成する場合)

 

  1. 申告書作成 納税者・企業から紙の帳簿・決算書類を受け取った場合はe-tax画面で入力する必要がありますが、市販の会計ソフトの中にはe-taxにデータを転送できるものもあります。(ICカード不要)
  2. 税理士自書・押印 税理士法2条2項の「作成者」として、e-taxで税理士の電子証明書で電子署名を行います。(ICカード必要)
  3. 申告者自署・押印 申告者が承認していることを証明するために、e-taxで申告者の電子証明書書で電子署名を行います。(ICカード必要)
  4. 税理士自書・押印 本来は税理士法2条1項の「税務代理」として税理士の自書・押印が必要ですが、現在は税理士法2条2項の作成者として自署・押印が準用される形式になっており、不要です。しかし、申告者は署名の際に他の確定申告データを編集することが可能ですので、提出前に再確認することが推奨されています。実際に、何かの理由で申告者が確定申告データを訂正した場合には、そのまま送信するとエラーになってしまいますので、税理士が再度電子署名する必要があります。(再度、電子署名する場合はICカード必要)
  5. 電子的に提出 e-taxでSSL暗号化されて国税庁に送信されます(ICカード必要)

 

このうち、申告者と税理士の間で、暗号化されていない電子メールやファイル共有ソフトで、確定申告データや決算データをやり取りすることは、デジタルセキュリティの問題として避けるべきでしょう。

 

実際に、暗号化されたメールを利用したり、十分なウィルス対策を施した上でCD-RやUSBメモリなどで直接データの受け渡しを行うことが推奨されています。

 

他にもある税に関する国の便利なインターネットサービス

 

他にも税金に関して便利なサービスがあるようです。

 

  • インターネット登記情報提供サービス(法人税・固定資産税・相続税)
  • 国税関係主要通達(国税全般)
  • 路線価図閲覧(固定資産税・相続税)

 

などがあります。

 

いずれも今までは役所に行かないといけないようなものや、役所で聞いても担当者が十分な知識がなくて不明だったような情報が、インターネットで調べればわかるようになります。